ヨルシカ アルバム考察③

音楽

エルマ [ ヨルシカ ]
前回の記事を書いてから約1年放置してしまった。
次のアルバムが発売されるので、いい加減この記事を完結させる。

スポンサーリンク

エルマが書いた日記帳の回想パート

上に×と書かれたページは日記ではなく、エルマが回想しているパートとなる。
ここも大きく5つに分かれる。

  1. エイミーとの出逢い
  2. エイミーとの日々
  3. エイミーが姿を消したその後
  4. エイミーの言葉
  5. エルマの思い

1. エイミーとの出逢い

14~16ページ目
エイミーとの出逢いは雨の滴り落ちるカフェテラスだった。
彼は熱心に何かを書いていた。
気になって横目で見ていると、彼はその書き上げた一枚を屑入れへと放り込んだ。
屑入れの縁から落ちた紙が一つ、風に吹かれて転がり、
私の足元にまで辿り着いて止まった。
私は紙を指先で持ち上げて机まで引き上げた。
中には一編の詩が書かれていた。

2. エイミーとの日々

35,36ページ目
駅から離れた場所にある施設の公共広間には、
小柄なアップライトピアノが置かれていて、
私とエイミーは雨の日になるとよくそれを弾きに行った。
私がどれだけ辿辿しく演奏をしても、弾き終わると彼は必ず小さな拍手をした。
ある日を境に彼はピアノを弾くことを辞めた。


ヨルシカ – 雨とカプチーノ(Official Video)

46,47ページ目
私が詩を書く事を辞めたいと零したとき、
エイミーがくれた言葉を私は今でも覚えている。
「才能なんて概念は本当はここには無いんだよ、エルマ。」

50~53ページ目
私が例の施設広間へ行くと、彼は珍しくピアノを弾いていた。
もう君の方が上手くなったからね、と彼は笑う。
彼がピアノを弾かなくなってから随分と経っていた。
「僕たちは何処から音楽を見つけたんだろうね。
人生を音楽に捧げたとして。僕の人生の価値は何処にあるんだろう。」
その日を最後に、彼は街から姿を消す。

70,71ページ目
エイミーがあの日、私を置いていなくなった時のことを覚えている。
彼を探し、涙を流し、心の奥底には別の感情が隠れていた。
私は少し安堵していた。
彼が隠していた病気のことも、そう長くはないであろう
身体のことも本当は気づいていた。

彼の部屋から盗んだこの日記帳ばかり大切に抱えて。
あの日から私の瞳はずっと夢を見ている。

97ページ目
エイミーはいつでも優しく笑っていた。
彼の部屋に行くと決まってギターを弾いて、
彼の作った歌を聞かせてくれた。
エイミーの詩は何処か懐かしい匂いがした。

103ページ目
八月だった。
エイミーはギターを爪弾く手を止めて、ベランダへ出る窓を開けた。
エルマ、花火だ。彼は言う。
エイミーは優しく笑っている。

3. エイミーが姿を消したその後

60,61ページ目
祖母から連絡があったので帰省した。
家に着くと、祖母はよく来たねと労ってから、
紙に包まれた郵便物を差し出した。
少し薄汚れた妙な木箱だった。
蓋を開けて、彼の、エイミーの遺した手紙を読む。

62ページ目
箱に入れられていたのは、数十枚の手紙と詩と
五線譜に書かれた音符、何処かの異国の写真。
筆跡は間違いなく懐かしい彼のものだった。
彼は北欧の一国へと旅に出ていた。
そして最後はストックホルムへ戻り全てを終えるのだと。

今も彼を真似るように、彼の旅した街を巡る。

88ページ目
最後の1ページをめくる。
8/31の日付
きっと彼がその旅を終える直前に残ったインクで書いたものだ。
詩の題はエルマ。
彼がくれた私の名前だ。

4. エイミーの言葉

2,3ページ目
作品の中にこそ神様は宿る。それが彼の口癖だった。

20,21ページ目
エイミーは余白を好んだ。

86,87ページ目
エイミー、貴方が言ったこと全部覚えてる。

「それなら君はエルマだ」
僕のことだって好きに呼んだらいい。
頭字だけ被せて、エイミーなんてのもいいね。
昔そういう詩人がいたんだよ。

92,93ページ目
「この世で一番美しい音楽が何処にあるかわかるかい?
今、君は想像力という名前の海の中にいる。
君はそこから、自分の思う宝石を取り出す方法を学ぶんだよ、エルマ。」
私はその美しさが、神様の居場所が知りたかったんだ。
貴方の見ていたその景色を。
どうして私はちゃんと考えてこなかったんだろう。

99ページ目
エイミーは無駄という言葉が好きだった。
私がピアノを弾きながら譜面にはない動きを仕掛けると、
決まって笑顔を見せてくれた。
それは愛すべき無駄だよエルマ。
その譜面にはない無駄から生まれてきたんだ。

101ページ目
本を読むことは大事だよ。
エルマ、本は言葉でできてる。

105ページ目
僕は君のピアノもしも好きだよエルマ。
いつか君は大きくなるとても良い作品を書く音楽家になれる。
大事なのは他人の評価じゃない。
音楽だよ、エルマ。

106ページ目
エルマ、優しい人間になりなよ。


ヨルシカ – 心に穴が空いた (Music Video)

5. エルマの思い

26ページ目
一緒に逃げてくれたら私はどこでも付いていけた。

「エルマ」まとめ

エイミーとエルマは雨の滴り落ちるカフェで出逢った。
エイミーはカフェで歌詞を書いていて、
その紙をエルマが見たのがきっかけ。

エルマはエイミーの影響でピアノを弾いたり歌詞を書くようになる。
雨の日になると、2人で公共施設にピアノを弾きに行った。

エイミーは病気でそう長くない事を隠していたが、
エルマは気付いていた。
ある時エイミーは失踪する。

エイミー失踪後、エルマは帰省先で彼からの郵便物(木箱)を受け取る。
中には手紙と写真が入っていた。
※この木箱と手紙と写真は1stフルアルバム「だから僕は音楽を辞めた」の
初回盤がその形を模している。

エルマはその手紙を基に、エイミーの旅した街を巡る旅に出る。

旅の最終地点の桟橋近くの砂浜で
エイミーの万年筆、インク瓶、鞄、手帳を見つける。
もう一つの古びた桟橋で彼のギターケースが横たわっていた。
ケースの中にはアコギと詩が認められた一枚の紙。題はノーチラス。


ヨルシカ – ノーチラス (OFFICIAL VIDEO)

彼がこの桟橋でインク瓶の花緑青(毒性の人工染料)を飲んで身を投げた事を知る。

エルマ、エイミーの残した詩で音楽を書く事を決意。

それで出来たのが「だから僕は音楽を辞めた」と「エルマ」。

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました